怒りの感情のコントロール術 第4回「怒れない上司必見! 叱り方のポイント」
3月も半ばに入り、異動、昇進や新しい生活がスタートする方も多いのではないでしょうか?
4月に向けて新入社員の受け入れ準備をしている企業の皆様。
江尻事務所では新入社員研修なども承っておりますので、是非ご検討ください。
さて、今回のコラムは「怒れない上司必見! 叱り方のポイント」をお伝えします。

目次
1.叱り方失敗エピソード
私がアンガーマネジメントを学ぶきっかけにもなった1つの理由として、専門学校の教務時代に学生を叱れない、そして部下のマネジメントに息詰まったことが挙げられます。
その根底には「学生から嫌われたくない」という想いや、部下に注意して「落ち込ませたくない」という葛藤があったからです。
当時は「叱り方」を学ぶ機会も無く、様々な教師の指導の仕方を見て真似ようとばかりしていましたが、自分の考えやスタイルに合う叱り方が見つかりませんでした。
「よし、今日から学生の遅刻を厳しく叱ろう!」と決意して怒った日を今でも忘れません。いつも怒らない私が一変して学生を叱ったので、その日から学生が私に近寄らなくなってしまいました。
そして、私が目指していた教務としてのありたい姿から遠ざかってしまい、本来の目的から逸れていることに気づき落ち込みました。今思うと、人前で注意したり、一貫性のない怒り方、言葉かけ全てに問題アリでした、、、。
そんな時に出会ったのがアンガーマネジメントで「相手を叱ること」に目的をおくのではなく、「どう伝えたら相手の行動、思考を変えられるのか?」を目的に未来に目を向けて物事を考えられるようになりました。
アンガーマネジメントを学んだおかげで学生にはメリハリをつけて叱れるようになり、伝えた後で「後悔」することもなくなり、信頼関係が築けるようになりました。
2.叱れない上司が増えている?!
社内の人間関係はとても良いが、その一方で先輩や上司に指導してもらえないという意見もよく聞きます。
それは、業務上の指導を「パワハラだ!」と騒ぐ社員がいたり、逆にパワハラを恐れて何も言えない「我関せず」というスタイルや放任主義の上司を増殖させてしまっていることも要因です。
ここ数年で「心理的安全性」や「承認し合う文化」も浸透し、誰もが意見を言えるような環境ができました。
悪いことではありませんが、叱らずに褒めて育てようという人材育成が増えたことによって「叱る」という行為から離れてしまったことも要因の1つと考えられます。
ネガティブなイメージの「叱る」行為ですが、今後は人材育成としてどのように部下を指導できるか。ポイントを抑えて上手に叱っていくことが求められます。
3.上手に叱るコツ!
3-1.怒る基準を明確にする
感情のコントロールをするうえで、怒りに対して「許せないゾーン」と「まぁ許せるゾーン」を明確にすることが大事です。
このゾーンが不明確だと、怒られる相手にとっては「昨日は同じことをして怒られなかったけど、今日は怒られた。今日は機嫌が悪いのかな」と思われてしまいます。
また、怒りのゾーンが不明確だと「Aさんには怒るけど、Bさんには怒らない」と相手によって基準を変えてしまう可能性も出てきます。そうなると差別していると思われてしまいます。
まずは、自分の中で怒る基準を明確にし、相手にもそれを示すことが上手に怒るポイントです。
3-2.人格を否定したり過去を持ち出すのではなく、起きた事実だけを怒る
子供を叱る時にも気をつけていただきたいのですが、
「だから、あなたはダメなんだ!!」
など、人格を否定する言葉かけです。
自己肯定感が下がるだけでなく、すべてを否定された気持ちになってしまいます。
叱ることで相手のモチベーションを下げる、自信を喪失させるということが本来の目的ではないので、強い言葉は避けましょう。
3-3.過去を持ち出さない
過去を持ち出す怒りのタイプは、講座の中でも女性が多く手を挙げる傾向にあります。
いま、目の前で起きた怒りの出来事にプラスして、過去の怒りを持ち出してしまう叱り方は相手に不信感を与えてしまいます。
ご自身も、過去を持ち出して怒られた経験はありませんか?
その時どう感じたでしょうか?
「前から言ってるけど、、、」
「この前から思ってたけど、、、」
と言われると、今とは関係ないのにと思ってしまい、なかなか素直に受け取れなくなります。
叱り方のポイントは、皆さんも思い当たる節があったのではないでしょうか?
最近はパワハラ相談窓口での相談件数も増加し、加害者、被害者への対応も増えています。
管理職だけでなく社員全体としてパワハラの定義を知ることが必要不可欠です。
パワハラ対策もしながら、業務上必要なことはしっかり指導できる職場を目指しましょう!
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